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税金・確定申告

海外FXの税金|税率5〜45%の仕組みと計算例・申告の要否

海外FXの利益は雑所得・総合課税で、所得税5〜45%+住民税10%が給与と合算して課税されます。国内FXの一律20.315%との分岐点は課税所得330万円前後。計算例3パターンで解説します。

執筆: 海外FXコンパス編集部 公開:

当記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます。評価・順位は公開の評価基準に基づき編集部が独立して決定しています。海外FX業者は金融庁未登録であり、取引は自己責任となります。

この記事の目次
  1. 海外FXの利益は「雑所得(総合課税)」
    1. 国税庁タックスアンサーNo.1521の整理
    2. 「雑所得」とは何か
    3. 収入規模が大きい人の帳簿・書類の義務
  2. 海外FXの税率表(所得税+住民税の合計目安)
    1. 所得税の速算表(No.2260)
    2. 住民税の計算の基本
  3. 国内FXとの税金の違い(比較表)
  4. いくらから確定申告が必要?
    1. 給与所得者(会社員・公務員など):20万円ルール
    2. 20万円以下でも住民税の申告は必要
    3. 給与所得者以外(専業・学生・主婦など):基礎控除が目安
    4. 扶養に入っている人の注意点
  5. 2025年分と2026年分で変わった控除額
    1. 給与所得控除(会社員の給与から自動的に引かれる控除)
    2. 基礎控除の段差に注意
    3. 20万円ルールや税率は変わっていない
  6. 税額の計算例(給与500万円・利益50万/300万/1,000万円)
    1. 計算の流れ
    2. 3パターンの試算結果
  7. 課税のタイミングと対象:未決済・スワップ・ボーナス
    1. 未決済ポジションの含み益は対象外
    2. スワップポイント
    3. ボーナス(クレジット)の扱い
    4. 出金していなくても課税される
    5. 外貨建て口座の円換算
  8. 経費と損失の扱い
    1. 認められうる経費
    2. 損失は「同じ年の雑所得内」でのみ相殺、繰越は不可
    3. 複数業者を使っている場合
    4. 利益が大きい人は法人化も選択肢
  9. 申告から納付までの流れ
  10. 年末までにやっておきたいチェックリスト
  11. 海外FXの税金でよくある誤解
  12. まとめ

海外FXで利益が出たとき、「税金はいくらかかるのか」「国内FXと何が違うのか」「いくらから申告が必要なのか」が最初の疑問になります。この記事では、国税庁タックスアンサーなどの一次情報をもとに、海外FXの税金の仕組みを計算例つきで整理します。結論から言うと、海外FXの利益は「雑所得(総合課税)」で、給与などと合算した課税所得に5〜45%の所得税と10%の住民税がかかります。

結論

  • 海外FXの利益は雑所得・総合課税。税率は所得税5〜45%(+復興特別所得税2.1%)と住民税10%
  • 国内FXは申告分離課税で一律20.315%。課税所得330万円超あたりから海外FXの方が重い
  • 会社員は海外FXなどの所得が年20万円超で所得税の確定申告が必要。20万円以下でも住民税申告は必要
  • 損失の翌年繰越は不可。同じ年の他の雑所得とは相殺できる
  • 具体的な税額は税金シミュレーターで試算できる

この記事について

本記事は2026年9月時点の法令・国税庁公表資料に基づく一般的な情報です。個別の税額や申告の要否は状況によって異なります。最終的な判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。

海外FXの利益は「雑所得(総合課税)」

海外FXの利益にかかる税金を理解するうえで、最初に押さえるべきなのは所得区分です。国内FXと海外FXは、同じ「FX」でも税法上の扱いが違います。

国税庁タックスアンサーNo.1521の整理

国税庁のタックスアンサーNo.1521「外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」では、FXの差益を次の2つに分けています。

取引の相手方 課税方式 税率
金融商品取引業者・登録金融機関との店頭取引、または取引所取引(=国内FX) 申告分離課税(先物取引に係る雑所得等) 所得税15%+住民税5%(復興特別所得税を含め20.315%)
上記以外(=海外FX業者との取引) 総合課税の雑所得 課税総所得金額に応じた超過累進税率

海外FX業者は日本の金融商品取引業の登録を受けていません。そのため、その差益は「一般的には、雑所得として総合課税の対象」となり、給与所得や事業所得など他の所得と合算したうえで累進税率が適用されます(国税庁 No.1521)。

「雑所得」とは何か

雑所得は、利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時のいずれにも当たらない所得の総称です(国税庁 No.1500)。金額は「総収入金額-必要経費」で計算します。海外FXの場合、年間の確定損益の合計から、取引のために直接かかった費用を引いた額が雑所得の金額になります。

雑所得には「公的年金等」「業務に係るもの」「その他」の3区分があります。海外FXの利益は、確定申告書等作成コーナーでは「雑所得(業務・その他)」の入力画面に入れるのが一般的です。区分の判断に迷う場合は税務署に確認してください。

収入規模が大きい人の帳簿・書類の義務

雑所得のうち「業務に係る雑所得」に当たる場合、前々年分の収入金額が300万円を超える人は、取引に関する請求書・領収書などの現金預金取引等関係書類を5年間保存する義務があります。さらに前々年分の収入金額が1,000万円を超える人は、確定申告書に収支内訳書の添付が必要です(国税庁 No.1500)。海外FXがこの「業務」に当たるかは取引の継続性・規模による判断になるため、年間の決済額が大きい人は税理士に相談し、MT4/MT5の履歴と入出金記録を年ごとに保管しておくと安全です。

海外FXの税率表(所得税+住民税の合計目安)

海外FXの利益にかかる税率は、利益の額だけでは決まりません。給与などを含めた「課税される所得金額」(合計所得から各種控除を引いた額)に対して、次の速算表が適用されます。

所得税の速算表(No.2260)

課税される所得金額 所得税率 控除額
195万円未満 5% 0円
195万円以上 330万円未満 10% 97,500円
330万円以上 695万円未満 20% 427,500円
695万円以上 900万円未満 23% 636,000円
900万円以上 1,800万円未満 33% 1,536,000円
1,800万円以上 4,000万円未満 40% 2,796,000円
4,000万円以上 45% 4,796,000円

出典: 国税庁 No.2260 所得税の税率(2026年9月時点)。課税される所得金額は1,000円未満切り捨てです。

これに加えて、所得税額の2.1%の復興特別所得税(2037年分まで)と、住民税の所得割10%(道府県民税4%+市町村民税6%。標準税率)がかかります。海外FXの利益に対する「合計の税率目安」をまとめると次のようになります。

課税所得の区分 所得税率 復興特別所得税込み 住民税 合計目安
195万円未満 5% 5.105% 10% 約15.1%
195万〜330万円 10% 10.21% 10% 約20.2%
330万〜695万円 20% 20.42% 10% 約30.4%
695万〜900万円 23% 23.48% 10% 約33.5%
900万〜1,800万円 33% 33.69% 10% 約43.7%
1,800万〜4,000万円 40% 40.84% 10% 約50.8%
4,000万円以上 45% 45.95% 10% 約55.9%

この表の税率は、その区分に入る部分の所得に対してかかる「限界税率」です。たとえば課税所得が500万円なら、195万円までは5%、195万〜330万円は10%、330万〜500万円は20%と段階的にかかるため、全体の平均税率は限界税率より低くなります。

補足:2027年分以降の復興特別所得税

国税庁の案内では、2027年(令和9年)1月1日以後に生ずる所得については復興特別所得税の税率が1.1%に引き下げられ、代わりに防衛特別所得税(所得税額の1%相当)が加わるとされています。上乗せ分の合計は2.1%のまま変わらない見込みですが、2026年分の申告には影響しません。

住民税の計算の基本

住民税(個人住民税)は、前年の所得をもとに市区町村が計算し、翌年6月以降に納める税金です。所得割の税率は標準で10%(道府県民税4%+市町村民税6%。政令指定都市は2%+8%)で、これに定額の均等割が加わります。

所得税と違い、住民税の基礎控除は合計所得2,400万円以下で43万円です(地方税法34条・314条の2)。所得税の基礎控除(2026年分は最大104万円)とは金額が異なるため、住民税の課税所得は所得税より大きくなる点に注意してください。海外FXの利益が増えるほど、所得税と住民税の両方が増えます。

国内FXとの税金の違い(比較表)

海外FXを検討している人が最も気にするのが、国内FXとの税負担の差です。主な違いを表にまとめます。

項目 海外FX 国内FX
所得区分 雑所得(総合課税) 先物取引に係る雑所得等(申告分離課税)
税率 所得税5〜45%+住民税10%(累進) 一律20.315%
他の所得との合算 給与などと合算して税率が決まる 合算しない
損失の繰越控除 不可 翌年以後3年間可
損益通算の範囲 同じ年の総合課税の雑所得の中でのみ 他の先物取引に係る雑所得等(CFD・商品先物など)と
海外FXと国内FXの相殺 不可(課税方式が異なる) 不可
年間取引報告書 業者からの交付は原則なし(MT4/MT5から自分で出力) 業者が交付

税率だけを見ると、課税所得が330万円未満の人(限界税率10%以下)は海外FXの方が軽いか同程度で、330万円以上になると海外FXの方が重くなります。ただし税率だけで業者を選ぶのは早計です。レバレッジやゼロカットなど取引条件の違いは海外FXと国内FXの違いで整理しています。

注意

海外FX業者は金融庁に登録しておらず、金融商品取引法に基づく投資者保護(分別管理義務や投資者保護基金など)の対象外です。税金の話とは別に、海外FXの危険性も必ず確認してください。

いくらから確定申告が必要?

海外FXの利益が出たら誰でも申告が必要になるわけではありません。所得税の確定申告が必要になる基準は、給与所得者かどうかで変わります。

給与所得者(会社員・公務員など):20万円ルール

給与を1か所から受け、その全部が源泉徴収されている人は、「給与所得及び退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超える」場合に確定申告が必要です(国税庁 No.1900)。ここで見るのは利益から経費を引いた「所得」の額で、海外FX以外の副業収入や仮想通貨の利益なども合算します。

なお、年収2,000万円超の人、医療費控除や住宅ローン控除の初年度などで確定申告をする人は、20万円以下でも海外FXの所得を申告書に含める必要があります。

20万円以下でも住民税の申告は必要

20万円ルールは所得税だけの特例です。住民税には同様の特例がなく、地方税法上、給与以外の所得がある人は市区町村への申告が求められます。確定申告をすればその内容が市区町村に回るため住民税申告は不要ですが、確定申告をしない場合は別途、住民税の申告が必要です。手続きは海外FXの住民税と会社バレで解説しています。

給与所得者以外(専業・学生・主婦など):基礎控除が目安

給与所得のない人は、所得金額から所得控除を引いた課税所得がプラスになり、所得税額が生じる場合に申告が必要です。最低限使える控除が基礎控除で、2025年度・2026年度の税制改正で金額が大きく変わりました。

合計所得金額 2025年分(令和7年分) 2026年分(令和8年分)
132万円以下 95万円 104万円
132万円超 336万円以下 88万円 104万円
336万円超 489万円以下 68万円 104万円
489万円超 655万円以下 63万円 67万円
655万円超 2,350万円以下 58万円 62万円
2,350万円超 2,400万円以下 48万円 48万円
2,400万円超 2,450万円以下 32万円 32万円
2,450万円超 2,500万円以下 16万円 16万円

出典: 国税庁 No.1199 基礎控除。2026年分の金額は令和8年度税制改正によるもので、2026年12月1日に施行され、2026年分以後の所得税に適用されます(居住者の場合)。

たとえば他に所得のない専業トレーダーなら、2026年分は海外FXの所得(利益-経費)が104万円以下であれば所得税はかかりません。ただし住民税は基礎控除が43万円で、自治体の非課税限度額(単身で合計所得45万円が目安)を超えると課税されるため、住民税の申告は別途検討が必要です。

扶養に入っている人の注意点

配偶者や親の扶養に入っている人は、海外FXの所得によって扶養から外れることがあります。扶養親族・同一生計配偶者の所得要件は、2025年分が合計所得58万円以下、2026年分以後は62万円以下です(令和8年度改正)。扶養から外れると扶養している側の税負担が増えるので、家族と情報共有しておきましょう。

2025年分と2026年分で変わった控除額

海外FXの税額を左右する所得控除は、令和7年度・令和8年度の税制改正で2年連続で変わりました。どの年分の申告かによって使う金額が違うので、整理しておきます。

給与所得控除(会社員の給与から自動的に引かれる控除)

給与収入 2025年分(令和7年分) 2026年分・2027年分
190万円以下 65万円 74万円
190万円超 220万円以下 収入×30%+8万円 74万円
220万円超 360万円以下 収入×30%+8万円 収入×30%+8万円
360万円超 660万円以下 収入×20%+44万円 収入×20%+44万円
660万円超 850万円以下 収入×10%+110万円 収入×10%+110万円
850万円超 195万円(上限) 195万円(上限)

出典: 国税庁 No.1410 給与所得控除。2026年分の最低保障額74万円は令和8年度改正によるもので、2026年12月1日施行、2026年分・2027年分に適用されます。給与収入660万円未満の人は厳密には所得税法別表第五で給与所得を求めますが、概算では上の表で十分です。

基礎控除の段差に注意

前の章の表のとおり、2026年分の基礎控除は合計所得489万円以下なら104万円、489万円超655万円以下なら67万円、655万円超2,350万円以下なら62万円です。海外FXの利益が増えて合計所得がこの境目を超えると、基礎控除が一気に37万円または5万円減るため、税額が不連続に増えます。境目付近の利益なら、年末の決済タイミングや経費の計上漏れがないかを確認する価値があります。

20万円ルールや税率は変わっていない

基礎控除・給与所得控除は変わりましたが、所得税の税率表、20万円ルール、住民税の基礎控除43万円、復興特別所得税2.1%は2026年分も据え置きです。改正で変わったのは「課税所得の計算過程」であり、海外FXの利益が総合課税の雑所得であることも変わりません。

税額の計算例(給与500万円・利益50万/300万/1,000万円)

ここでは「年収500万円の会社員(独身、社会保険料控除75万円、他の控除なし)」が海外FXで利益を得たケースを、2026年分の控除額で試算します。数値は概算で、端数処理や各自の控除内容によって変わります。

計算の流れ

  1. 給与所得=給与収入500万円-給与所得控除144万円(500万円×20%+44万円)=356万円
  2. 合計所得=給与所得356万円+海外FXの雑所得
  3. 課税所得=合計所得-社会保険料控除75万円-基礎控除(合計所得に応じて104万/67万/62万円)
  4. 所得税=課税所得×税率-控除額。復興特別所得税=所得税×2.1%
  5. 住民税(所得割)≒(合計所得-社会保険料控除-基礎控除43万円)×10%

3パターンの試算結果

項目 利益50万円 利益300万円 利益1,000万円
合計所得 406万円 656万円 1,356万円
基礎控除(所得税) 104万円 62万円 62万円
課税所得(所得税) 227万円 519万円 1,219万円
所得税+復興特別所得税 約13.2万円 約62.3万円 約253.9万円
住民税(所得割) 約28.8万円 約53.8万円 約123.8万円
税額合計 約42.0万円 約116.1万円 約377.7万円
うち海外FXによる増加分 約9.2万円 約83.3万円 約344.9万円
海外FX分の実効税率 約18.4% 約27.8% 約34.5%
参考:国内FXなら(20.315%) 約10.2万円 約60.9万円 約203.2万円

海外FXがない場合の税額(約32.8万円)との差が「海外FXによる増加分」です。利益50万円なら国内FXより少し軽く、300万円で約22万円、1,000万円では約140万円の差が出ます。

利益300万円のケースでは合計所得が655万円を超えるため、基礎控除が104万円から62万円に下がっている点にも注目してください。2026年分の基礎控除は合計所得489万円と655万円に段差があり、その前後で税額が不連続に変わります。

自分の給与や控除で試算したい場合は、海外FX税金シミュレーターをご利用ください。

課税のタイミングと対象:未決済・スワップ・ボーナス

海外FXの「利益」をどう数えるかは、意外と迷いやすいポイントです。基本は「その年に決済して確定した損益」です。

未決済ポジションの含み益は対象外

年末に保有しているポジションの含み益・含み損は、その年の所得に含めません。翌年以降に決済したときの所得になります。年をまたぐ大きな含み益がある場合、決済の年で税額が変わるため、意図的に決済時期を選ぶことも可能ですが、相場変動のリスクと天秤にかける必要があります。

スワップポイント

スワップポイントは、口座残高に反映されて確定した時点で収入に含めます。海外FX業者の多くはMT4/MT5上でポジションごとにスワップを積み上げ、決済時に損益と一緒に確定させます。決済前に日々口座残高へ加算される仕様の業者もあるため、自分の業者の扱いを確認してください。スワップの受取・支払の仕組みはスワップ・スワップフリー比較で解説しています。

ボーナス(クレジット)の扱い

口座開設ボーナスや入金ボーナスは、多くの業者で「出金できない取引専用のクレジット」として付与されます。この種のボーナスは受け取った時点では一般に所得になりません。一方で、ボーナスを証拠金として取引し、得た利益は通常の利益と同じく課税対象です。出金可能な現金型のキャッシュバックなどは所得(雑所得や一時所得)として扱われる可能性があるため、金額が大きい場合は税理士に確認しましょう。ボーナスの種類は口座開設ボーナス比較を参照してください。

出金していなくても課税される

「口座から出金していないから申告しなくてよい」は誤りです。課税は決済益が確定した時点で発生し、出金の有無は関係ありません。口座内で再投資していても、その年の確定損益は申告対象です。

外貨建て口座の円換算

USD建て口座などの場合、確定損益は円に換算して申告します。原則は取引日の電信売買相場の仲値(TTM)ですが、雑所得の計算では継続適用を条件に月末や前月平均など合理的なレートも認められています(所得税基本通達57の3-2)。具体的な手順は海外FXの確定申告のやり方で説明します。

経費と損失の扱い

認められうる経費

雑所得は「総収入金額-必要経費」で計算するため、海外FXの取引に直接必要な支出は経費にできます。例として、取引手数料や入出金手数料、VPS利用料、自動売買(EA)やインジケーターの購入費、取引に関する書籍・セミナー代、通信費やパソコン代のうち取引に使った部分の按分などが挙げられます。

ただし、税務署に説明できる根拠(領収書や利用実態)が必要です。家事費との区別が曖昧な支出は否認されるリスクがあります。項目ごとの考え方は海外FXの節税・経費にまとめました。

損失は「同じ年の雑所得内」でのみ相殺、繰越は不可

海外FXで年間の損益がマイナスになった場合、その損失は同じ年の他の雑所得(別の海外FX業者の利益、仮想通貨の利益、副業の雑所得など)と相殺できます。しかし、給与所得など他の所得区分との損益通算はできません(国税庁 No.2250)。

また、翌年への繰越控除もできません。国内FXは3年間の繰越が認められていますが、総合課税の雑所得にはその制度がありません。損失年の扱いは海外FXで損失が出た場合の確定申告で詳しく解説しています。

複数業者を使っている場合

XMとExnessなど複数の業者を使っている場合は、業者ごとの年間損益を合算して1つの雑所得として申告します。業者ごとにMT4/MT5から履歴を出力し、合計を出しておきましょう。

利益が大きい人は法人化も選択肢

継続的に大きな利益が出ている場合、法人を設立して法人口座で取引する選択肢があります。法人税等の実効税率は所得800万円超の部分でおおむね30%台前半で、個人の総合課税で課税所得900万円超(限界税率33%+住民税10%)になる人には検討余地があります。ただし設立・維持コストや社会保険料、法人でも損失繰越の要件などを含めて判断が必要です。考え方は節税・経費、法人口座を作れる業者は法人口座おすすめで紹介しています。

XMの詳細レビュー・口座開設はこちら

Exnessの詳細レビュー・口座開設はこちら

申告から納付までの流れ

海外FXの税金は、次の流れで手続きします。

時期 やること
1月〜12月 取引。年末時点の未決済ポジションは翌年扱い
翌年1月 MT4/MT5から年間の取引履歴を出力し、確定損益と経費を集計
翌年2月16日〜3月15日 確定申告(e-Taxまたは書面)。2026年分は2027年2月16日〜3月15日
3月15日まで 所得税・復興特別所得税を納付(振替納税なら4月中旬に引落)
6月以降 住民税の納付(普通徴収は年4回、特別徴収は給与天引き)

確定申告をしなかった場合、無申告加算税や延滞税が上乗せされます。税務署が海外FXの利益を把握する経路と加算税の率は海外FXの利益を確定申告しないとバレる?で解説しています。会社に副業を知られたくない人は、住民税の徴収方法の選び方も合わせて確認してください。

年末までにやっておきたいチェックリスト

税額は年が明けてからでは動かせません。12月の相場が閉まる前に、次の点を確認しておくと申告がスムーズになります。

  • 各業者の口座で、その年に決済した損益の合計を把握する(含み損益は含めない)
  • 合計所得が基礎控除の境目(2026年分は489万円・655万円)や、扶養の所得要件(62万円)をまたぎそうか確認する
  • 損失が出ている業者・仮想通貨があれば、同じ年の雑所得として相殺できるか整理する
  • VPS代、EA購入費、書籍代など経費の領収書・決済履歴を集めておく
  • 入出金履歴(銀行・bitwalletなど)を出力し、送金額と口座残高の動きを説明できるようにする
  • 会社に知られたくない人は、確定申告で住民税を「自分で納付」にする準備をしておく

入出金の記録は、税務署から照会があった場合の説明資料にもなります。入出金手段ごとの記録の残り方は海外FXの出金方法を参照してください。

海外FXの税金でよくある誤解

最後に、相談で頻繁に見かける誤解を整理します。いずれも「知らなかった」では済まず、無申告加算税や延滞税の対象になりえます。

誤解 実際
出金しなければ税金はかからない 課税は決済益が確定した時点。出金の有無は関係ない
海外の業者だから日本の税金は関係ない 日本の居住者は国内外を問わず全世界所得が課税対象
業者が税務署に報告しないからバレない 国外送金等調書(100万円超の送金)やCRS、銀行への照会などで把握されうる
損失は翌年に繰り越せる 総合課税の雑所得は繰越不可。国内FXの3年繰越とは別制度
利益20万円以下なら何もしなくてよい 所得税の申告は不要でも住民税の申告は必要
ボーナスで稼いだ利益は非課税 ボーナスを元手にした利益も課税対象

海外FXの利益が税務署に把握される経路や、申告しなかった場合のペナルティは海外FXの利益を確定申告しないとバレる?で具体的に説明しています。

まとめ

海外FXの税金の要点を再掲します。

  • 海外FXの利益は雑所得(総合課税)。給与などと合算した課税所得に所得税5〜45%+復興特別所得税2.1%+住民税10%がかかる
  • 国内FXは一律20.315%。課税所得330万円超あたりから海外FXの方が税負担は重い
  • 会社員は海外FXなどの所得が年20万円超で所得税の確定申告が必要。20万円以下でも住民税申告は必要
  • 給与のない人は2026年分の基礎控除104万円(合計所得489万円以下)が所得税の目安。住民税は別に判断
  • 課税対象は決済済みの損益。含み益は対象外、出金の有無は無関係
  • 損失は同じ年の雑所得内で相殺できるが、翌年への繰越はできない

次に読む記事:

参考(一次情報): 国税庁 No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係 / No.1500 雑所得 / No.2260 所得税の税率 / No.1199 基礎控除 / No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人 / No.2250 損益通算

よくある質問

Q.海外FXの利益は20万円以下なら確定申告しなくてよいですか?
給与を1か所から受けている会社員で、海外FXを含む給与・退職所得以外の所得の合計が年間20万円以下なら、所得税の確定申告は不要です。ただし住民税にはこの特例がなく、市区町村への住民税申告は必要です。詳しくは住民税と会社バレをご覧ください。
Q.海外FXと国内FXでは税率がどう違いますか?
国内FX(金融商品取引業者との店頭取引)は申告分離課税で一律20.315%です。海外FXは総合課税の雑所得で、給与などと合算した課税所得に5〜45%の所得税と10%の住民税がかかります。課税所得が330万円を超えるあたりから海外FXの方が税率が高くなります。
Q.海外FXの含み益(未決済ポジション)にも税金がかかりますか?
課税対象になるのは決済して確定した損益です。年末時点で保有中のポジションの含み益・含み損は、その年の所得には含めません。決済した年の所得として計算します。
Q.海外FXの損失は翌年に繰り越せますか?
繰り越せません。国内FXは申告分離課税の特例で3年間の繰越控除が認められていますが、総合課税の雑所得には繰越控除の制度がなく、損失はその年限りです。同じ年の他の雑所得(仮想通貨など)との相殺は可能です。
Q.ボーナスで得た利益にも税金がかかりますか?
出金できない取引専用のボーナス(クレジット)は、受け取った時点では一般に所得とはなりませんが、そのボーナスを証拠金にして得た取引利益は通常の利益と同じく課税対象です。出金可能な現金型の特典は所得になる可能性があるため、税務署や税理士にご確認ください。
Q.海外FXの税金はいつ、どうやって納めますか?
1月1日〜12月31日の利益を、翌年2月16日〜3月15日に確定申告し、所得税は3月15日までに納付します。住民税は6月以降に市区町村から通知され、普通徴収なら年4回、特別徴収なら給与から12回に分けて納めます。

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